(い)衣食足りて礼節を知る
【倉廩實,則知禮節;衣食足,則知榮辱】出典管子(牧民)
原文は, 『倉廩満ちて礼節を知り、衣食足りて栄辱を知る。』 であり意味は, 『人は、物質的に不自由がなくなって、初めて礼儀に心を向ける余裕ができてくる。
(Yahoo辞書大辞泉)』 である。
春秋時代,斉の桓公に仕えた宰相
管仲が桓公を諫めた言葉である。管仲は, 「強兵の前に国を富ませること,それには先ず民生の安定と規律の徹底が必要である。」 と説き,桓公はその言を実践して春秋最初の
覇者となった。
これは民側の心理として 『生理的あるいは安全の欲求が満たされなければ所属や愛の欲求を求めることはない。』(
マズローの欲求段階説)が意味することと同じであろう。
2700年後の現在,雨露をしのぐことにも苦悩する民衆に向い 「目的意識」 を諭す為政者を管仲はこう言って嗤うだろう。 「臣は『総理』ではなく『不条理』である。先ずは字を習い書を読むべし。」
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