(は)覇王
【以力假仁者霸,霸必有大國。以德行仁者王,王不待大。】出典:孟子(公孫丑上)
力を以て仁
(じん)を假
(か)る者は覇たり,覇は必ず大國を有
(たも)つ。
徳を以て仁を行う者は王たり,王は大を待たず。
(本当は)力ずくだが,仁に見せかける者は
覇である。だから覇者は必ず
(実行力の伴う)大国である。
徳を以て仁を行う者は
王である。王者は大
(国)である必要はない。
(参考:新釈漢文大系第4巻孟子,明治書院)
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ここで徳とは,仁・義・礼・智であり,仁とはいつくしみ,慈愛,博愛などの心ということにしておく。
覇者と王者,覇道と王道,同じようなものだと思っていたが別モノらしい。
では, 『見せかけの仁』 と 『本物の仁』 はどうやって見分けるのだろうか?
私には無理だと思う。
なぜなら,仁は国や文化や宗教やひとりひとりで異なる筈だと思うからである。
さて,孟子の時代から2300年間,洋の東西を問わずあまたの国が覇を唱え,必ず失墜している。
大国を計る尺度も軍事・経済・資源とさまざまに変わったが,王を唱えた国はまだない。
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