2009年01月08日

(い)衣食足りて礼節を知る

【倉廩實,則知禮節;衣食足,則知榮辱】出典管子(牧民)

原文は, 『倉廩満ちて礼節を知り、衣食足りて栄辱を知る。』 であり意味は, 『人は、物質的に不自由がなくなって、初めて礼儀に心を向ける余裕ができてくる。(Yahoo辞書大辞泉)』 である。

春秋時代,斉の桓公に仕えた宰相管仲が桓公を諫めた言葉である。管仲は, 「強兵の前に国を富ませること,それには先ず民生の安定と規律の徹底が必要である。」 と説き,桓公はその言を実践して春秋最初の覇者となった。

これは民側の心理として 『生理的あるいは安全の欲求が満たされなければ所属や愛の欲求を求めることはない。』(マズローの欲求段階説)が意味することと同じであろう。

2700年後の現在,雨露をしのぐことにも苦悩する民衆に向い 「目的意識」 を諭す為政者を管仲はこう言って嗤うだろう。 「臣は『総理』ではなく『不条理』である。先ずは字を習い書を読むべし。」


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この記事へのコメント
 ご訪問とコメント、有り難うございました。管仲と桓公の故事、その通りですね。民を嗤い、けなす前に、為政者は、まず自らを省みよ、ということですよね。
Posted by 夢想花夢想花 at 2009年01月10日 08:26
>夢想花さん、コメントありがとうございます。初めてのブログですので、まずは継続ということで故事成語を取り上げています。故事には誇張や誤解も含まれているようですが、現代社会を考えるテーマには良いと思っています。ブログは初心者ですのでいろいろとアドバイスいただければ嬉しいです。
Posted by ゴンチゴンチ at 2009年01月10日 10:00
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