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Posted by 滋賀咲くブログ at

2009年01月23日

(た)蛇足,大同小異

「蛇足のような定額給付金を除けば,与野党の予算案は大同小異で成立は間違いないだろう」と使う。

蛇足(だそく):よけいなつけ足し。なくてもよいむだなもののこと。また,しなくてもよいことをすること。『昔,楚の国で,祠の司祭者が召使たちに大杯に盛った酒を振る舞った。召使たちは,何人もで飲むには足りないが一人で飲むには多すぎる,ひとつ地面に蛇の絵を描き,早く描き上げた者が飲むことにしようときめて同時に描き始めた。最初に描いた者が酒をひき寄せて飲もうとしながら,自分の早さを自慢して「足まで描けるぞ」と描いているうちに,もう一人の者が描き上げて杯を奪い取り「蛇に足はない,したがって酒を飲む権利はわたしにある」と言ってその酒を飲んでしまった。』出典戦国策。(新明解故事ことわざ辞典)

大同小異(だいどうしょうい):細かい部分でわずかな違いはあるが,全体としてだいたい同じであること。似たりよったり。『だいたいは同じであるが,細かい点でいくらかちがいがある,これを小同異といい,万事見方によっては皆同じであるが,見方をかえれば皆異なっている,これを大同異という』出典荘子。(新明解故事ことわざ辞典)

蛇足が本来意味するものは,蛇に足をつけてしまった愚にあるのではなく,一杯を多数で分けることの無理と受益者の決定法についての拙速を批判していることにある。同様に大同小異は,見かけの似たりよったり(小同異)ではなく,方法はひとつでも結果は見方によって異なる(大同異),という評価の限界を言っているのである。問題の本質をついた見事な故事成語である。

さて,漢字検定の続きである。尚,引用文は論理が明確になるよう適宜修正した。

『小泉元首相が進めた構造改革は,政官業の癒着を断ち切る政策であり,危機に瀕した自民党を救った中興の祖であることは論をまたない。』
>『中興の祖』は長い歴史を経て後世の人々が評する言葉である。『論をまたない』ではあるが,自民党が圧勝したこと以外に中興の祖であることを示す例は何か。

『『失われた十年』を再現させてはならない。バブル崩壊後,政党は経済再生に知恵を絞らず,永田町は政治改革政局に身を窶し,経済の崩落を水際で止めることができなかった。』
>政治改革に痩せるほどに打ち込んだのなら,国民は責めないだろう。崩壊は水際では止められない,土留,崖っぷちで止めるのだ。

『官僚が公共精神を失ったことは政権党の責任であり,その再生は行政の長(私)の責任であり,後期高齢者医療制度で国民を不安にした責任を痛感する。しかし,朝令暮改で制度を廃止するより,誤解を受けない改革を施すことが私の責任である。』
>責任ばかりで義務がない。後期高齢者医療制度は公共精神を失った官僚が作ったという論理か。それを法律『令』としたのは私であることの責任は認めていない。悪法なら正す義務があるはずだ。『改』は改革ではなく改正である。

『衆院選で勝っても衆参ねじれの混乱は続く,というシニカルな言説は,諸外国の例を知らず,国民を愚弄する悲観論である。』
>混乱が続くのは事実であってそれを不安に思うのは冷笑的で悲観的なのか?諸外国の例が示されていないが,事例を示さず断定することこそ『愚弄』である。

『総選挙で与野党が僅差となっても,大連立や再編はしない。小選挙区で競い合った党が投票結果とは別のところで合従連衡したり、離合集散を行うのは、政党政治のためにもよくない。』
>『合従連衡』は重要な戦略であるから,総選挙の前に示されるべき。政党政治ために..と並列されているもうひとつのよくないことは何か不明。

『総選挙が政権を賭けた民主党との乾坤一擲の戦いなのは言うまでもない。』
>天と地『乾坤』がひっくり返るような大勝負を期待したいが,『擲』はさいころを投げる意味で大連立や再編があるかもしれない博打だとしている。

『参院選で、自民党が開けた穴を賢しく狙い、疲弊する地方の不満をすくいあげた選挙戦術はさすが自民党選挙を知り抜いた小沢氏の面目躍如とは思ったが..』
>疲弊する地方の不満をすくいあげるのは選挙戦術だというのだろうか。

文章全体を見て,文字の出現回数を調べた。
多いものは,政(_治,_権,_党)148回.党(自民_,民主_)99回,国(_民,_際,_会)98回,私88回である。少ないものは,道23回,知15回,義6回,忠1回,徳と礼は0回であった。王と覇の混同も見られた。違いについては覇王を確認してください。

蛇足ではあるがリーダーの仕事は二つである。
1.判断すること
2.夢を与えること






  


Posted by ゴンチ at 23:49Comments(0)故事成語